こんにちは。歯科医師の杉浦です。
皆さんは「口腔外科(こうくうげか)」という診療科をご存じでしょうか?
歯科医院の看板やホームページで見かけたことはあっても、「一般歯科と何が違うの?」「どんな症状のときに受診すればいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、口腔外科で行う治療や、受診をおすすめする症状についてわかりやすく解説します。
そもそも口腔外科とは?
口腔外科とは、口の中や顎、顔面周辺に生じるさまざまな病気やけがを診断・治療する診療分野です。
一般歯科では虫歯や歯周病の治療、入れ歯の作製など、主に「歯」と「歯周組織」を扱いますが、口腔外科では、親知らずの抜歯や口の中のできもの、顎の炎症、外傷など、外科的な処置を必要とする病気やけがを扱います。
口腔外科ではどんな治療をするの?
口腔外科で扱う代表的な治療をご紹介します。
1.親知らずの抜歯
口腔外科でよく行われる治療の一つが、親知らずの抜歯です。
親知らずは、斜めや横向きに生えたり、歯茎や骨の中に埋まったままになったりすることがあります。このような場合、周囲の歯茎が腫れたり、痛みが出たりすることがあります。
すべての親知らずを抜く必要があるわけではありませんが、炎症を繰り返している場合や、隣の歯に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、抜歯を検討します。「埋まっているから大丈夫」と思っている場合でも、抜歯した方がいいケースが多いため、心配であればお早めにご相談ください。
2.口の中のできものや粘膜の病気
口の中にできるできものや、治りにくい口内炎なども、口腔外科で診察することがあります。
多くは良性のものですが、見た目だけでは判断が難しい場合もあります。特に、口内炎のような症状が長期間治らない場合や、しこり、出血などがある場合には、お早めにご相談ください。多くの場合は見た目や性状から治療が必要なものかどうか判断が可能です。
必要に応じて、詳しい検査や専門医療機関への紹介を行います。
3.顎の痛みや口が開きにくい症状
「口を大きく開けられない」「顎を動かすと痛い」「口を開け閉めすると音が鳴る」といった症状も、対応可能な場合があります。。
これらの症状には、顎関節症や筋肉の問題など、さまざまな原因が考えられます。症状に応じて診察を行い、必要な治療や生活上の注意点をご案内します。
4.歯や顎の周囲の炎症・感染
虫歯や歯周病などが原因となり、歯の周囲や顎に炎症が広がることがあります。
腫れや痛みが強い場合には、原因となる歯の治療に加え、必要に応じて膿を出す処置や薬による治療を行います。
特に、顔が大きく腫れている、発熱がある、飲み込みにくい、息苦しいといった症状がある場合は注意が必要です。息苦しさや飲み込みの強い困難がある場合は、速やかに救急医療機関を受診してください。
5.歯や口の中、顎の外傷
転倒やスポーツ中の衝突、交通事故などによって、歯や口の中、顎にけがをすることがあります。このような外傷も、口腔外科で扱う重要な分野です。
例えば、強い衝撃によって歯が欠ける、折れる、抜け落ちる、歯の位置がずれる、といったことや、唇や口の中が切れて出血したり、重傷のものでは、顎や顔面の骨が折れる場合もあります。
外傷の種類や程度によって、歯の修復や固定、傷口の縫合などの処置を行います。顎の骨折が疑われる場合には、画像検査などによる詳しい評価が必要となり、専門の医療機関での治療が必要になることもあります。
どんなときに口腔外科を受診すればいいの?
次のような症状がある場合は、口腔外科への相談を検討しましょう。
親知らずの周囲が腫れたり、痛んだりする
口の中のできものがなかなか治らない
顎が痛い、口が開きにくい
歯や顎の周囲が大きく腫れている
転倒や衝突などで歯や口の中をけがした
歯が欠けた、折れた、抜け落ちた
ただし、症状によっては救急医療機関での対応が必要になる場合もあります。また、すべての歯科医院で外傷や顎の骨折などに対応できるわけではありません。どこを受診すればよいかわからない場合は、歯科医院へ電話で相談するとよいでしょう。
口腔外科では、親知らずの抜歯をはじめ、口の中のできもの、顎の痛み、歯や顎の周囲の炎症、歯や口の中の外傷など、幅広い症状を診察・治療しています。
「この症状は歯医者で診てもらえるのかな?」と迷うこともあるかもしれませんが、気になる症状やけがを放置せず、早めに相談することが大切です。
当院では、患者さんのお口の状態を確認し、症状に応じた治療をご提案いたします。専門的な検査や治療が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介することも可能です。
お口や顎のことで気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。








