ブラッシング後にうがいを少なくすることで口腔内にどれぐらいフッ化物が残るの?
2023.01.27更新
みなさんこんにちは歯科医師の高嶋です
最近寒くなってきて氷点下を記録する日々も増えてきましたが体調など崩さず元気にお過ごしでしょうか?
今回のブログではブラッシング後にうがいを少なくすることで口腔内にどれくらいのフッ化物が残るかについてです
まず結論から申し上げますとブラッシング後のうがいをしない方が、ブラッシング直後のだ液中のフッ化物量は多く残存しやすくなります
シェーグレンらによると、フッ化物配合歯磨剤(1500ppm)によるブラッシング後のだ液中フッ化物濃度は、うがいなし群(直後:(342ppm)、20分後:(171ppm))に対し
5mL水うがい群(直後:(247ppm)、20分後:(114ppm))と報告されています
彼らはブラッシング後、歯磨剤を吐出せず口腔内にいきわたらせるように洗口し、その後水によるうがいをしないように推奨しています
しかし患者さんの多くは水によるうがいでプラークや歯磨剤の混濁液を洗い流したいと感じることが多いです。
したがってほとんどの研究では、(10mL以下の水による1回のうがい)を行うことで、再石灰化に必要な0.05ppmFのだ液フッ化物濃度を長時間保持する
ことに有効であると結論づけています。
また、スウェーデンのイエテボリ大学が考案したイエテボリ・テクニックでは、ブラッシング後の少量うがいだけではなく、ブラッシング途中での歯磨剤の吐出を最小限にすることや、
ブラッシング終了後は2時間ほど飲食を控えることも口腔内のフッ化物濃度の保持に効果的であると紹介しています
これらの事からフッ化物配合歯磨剤を用いてブラッシングした後にはなるべくうがいと飲食を控えることがフッ化物濃度を保つために重要であることが分かります