いびき・睡眠外来
睡眠中にひどくいびきをかいたり、呼吸が止まったりする方はいらっしゃいませんか?睡眠中に、呼吸が10秒以上停止したり、呼吸が弱くなった状態が何回も起こる状態のことを睡眠時無呼吸といいます。呼吸の停止により脳が酸素不足を感知し、呼吸を回復するために一時的な覚醒を促すので窒息することはありませんが、この呼吸状態を一晩に何度も繰り返すことで、睡眠不足による昼間の強い眠気や、様々な病気を誘発することがわかっています。
また、歯ぎしり・咬みしめ・食いしばりといった歯や顎に負担をかける口腔内の悪習癖(ブラキシズム)は、歯や顎などに悪影響を与えます。歯ぎしりをしている人の割合は高いとされ、自覚していない人は少なくありません。これらは、歯周病や虫歯、顎関節症のリスクを高めるだけでなく、肩こりや頭痛などの原因にもなるため、適切な対処が必要になります。
いびきのある方は、一度検査を受けてみましょう!
睡眠時無呼吸の患者数は国内で約200万人、日本人の2~4%が罹患しているといわれています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っている方では、さらに高い確率で睡眠時無呼吸を合併していることが分かっています。特に、薬が効かない高血圧(薬剤抵抗性高血圧)の方の約80%に睡眠時無呼吸が合併しており、原因は睡眠時無呼吸ではないかと言われています。
睡眠時無呼吸を放置すると、糖尿病になるリスクは約1.5倍、高血圧は約2倍になるだけでなく、虚血性心疾患は約3倍、脳血管障害は約4倍となり、最悪の場合は突然死を引き起こします。また、中等症以上の睡眠時無呼吸を放置すると8年後の生存率は治療を受けた方に比較して約63%にまで低下します。睡眠時無呼吸が原因による眠気から交通事故などのアクシデントを起こす可能性もあり、これらを防止するためには、何よりも睡眠時無呼吸の早期発見と治療が必要です。
主な症状
下記の項目に一つでも当てはまるものがあれば、是非一度担当医、スタッフにご相談ください。
☑︎ 毎晩、大きないびきをかく
☑︎ 睡眠中に「呼吸が苦しそうだ」あるいは「呼吸が止まっている」としてきされたことがある
☑︎ 朝起きた時、疲れが残っていたり、目覚めがスッキリしないことがある
☑︎ 朝起きた時、頭痛や口渇がある
☑︎ 昼間、我慢できないほど眠くなることがある
☑︎ 集中力がない
☑︎ 夜間よくトイレに行く
☑︎ 肥満傾向である
☑︎ 高血圧症である
治療の流れ
いびき・睡眠時無呼吸・歯ぎしりの専門外来は第一、第三金曜日の午前中に行っております。また、曜日が合わない方は担当医が専門医と連携して診察を行って参ります。検査の結果治療が必要な方には、医科歯科連携をして最適な治療方法を提案致します。
※通常、初診時に口腔内診査後、別日で睡眠時無呼吸の診察を行っておりますが、まとめて火曜日に診察をご希望の方はお電話でご予約ください。
当院での口腔内装置(マウスピース)治療
睡眠時無呼吸の検査の結果、口腔内装置による治療が適応となると、当院で装置の作製・調整を行ってまいります。口腔内装置により、下顎を前に出すことによって気道が広がり呼吸しやすくなり、いびきを抑えることができます。
※保険診療で口腔内装置を作製する場合には、事前に医科での睡眠時無呼吸検査および診断が必要となります。
担当歯科医師
葭澤 秀一郎 歯科医師、歯学博士
経歴
2008年3月:昭和大学歯学部卒業
2013年3月:昭和大学歯科補綴学講座 大学院修了(歯学博士)
2013年4月:昭和大学助教
2014年4月~2016年3月:南カリフォルニア大学客員研究員 睡眠時無呼吸、睡眠時プラキシズム(歯ぎしり)を専門に学ぶ
2018年3月:昭和大学歯科補綴学講座 退職 兼任講師就任
2018年12月:テキサス大学サンアントニオ校 補綴科 Preceptorship program開始
2019年6月:プログラム終了後帰国
2019年7月:睡眠歯科リサーチセンター東京 開設