歯科診療における全身的偶発症①
2024.11.29更新
こんにちは、歯科医師の島津です。
今年も終わりに近づきぐっと寒くなってきましたねお風邪などひかれていないでしょうか。
手洗い、鼻うがいをしっかりしましょうね!
さて、今回は歯科治療における偶発症についてお話ししたいと思います。
そもそも歯科診療における偶発症とは何か?
→治療の最中のみならず、その前後で循環系、呼吸系、中枢神経系など身体の各系統において、意図しない異常が偶発的に生じることがあり、これを歯科診療における全身的偶発症といいます。
比較的安全に行える歯科治療でも、患者様の全身状態によってはこのようなことが起こりえます。
歯科の偶発症の中で最も発生率が高いのは?
→『血管迷走神経反射(脳貧血)』です。
血管迷走神経反射とは、不安・恐怖・極度の緊張などの精神的ストレスが背景にあり、痛み刺激などが与えられ、神経が緊張状態となり発症するものです。
採血などでめまいが起こるのもこれの一つです。
歯科治療だと、注射の麻酔をした時や歯を削っている時などに発生することが多いと言われています。
主な病態
→血圧の低下、心拍数の減少。
対応
→ 水平位への体位変換、場合によっては昇圧薬の投与。
予防
→精神鎮静法。
精神鎮静法とは、気持ちを落ち着かせるお薬を投与して、歯科治療におけるストレスをできるだけ減らした状態で治療を行う方法です。
詳しくはこちら↓↓
https://www.w-dc.jp/blog/2023/12/post-90-840051.html
我々は、偶発症が発生した時の対応はもちろんのこと、発生させないように予防することを常に心がけて診療にあたっているのでご安心ください。
そして精神鎮静法は歯科治療に恐怖心が強い方、嘔吐反射の強い方、痛いのが苦手な方は、快適に治療を受けたい方にもおすすめです。
ぜひ一度ご相談ください。